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JFEスチール株式会社 西日本製鉄所 福山地区

世界有数の製鉄所を支える動力エネルギーの
一元管理で信頼性と効率化の向上を実現

24時間365日稼働を続ける世界でも有数の生産量を誇る製鉄所。広大な敷地に点在するエネルギーステーションの運転監視を一元管理し業務の効率化を推進しました。扱い慣れた既存のPLCなどの資産を有効利用するとともにシステムの信頼性を確保。安全で安定した監視・制御が行えるようになりました。

JFEスチール株式会社 西日本製鉄所 福山地区

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工場・プラント分野 鉄鋼 安定稼働 稼働改善 運転監視・制御システム&ソフトウェア

世界有数の生産規模を誇る製鉄所

瀬戸内海に面した温暖な気候に恵まれた広島県福山市に位置するJFEスチール株式会社西日本製鉄所福山地区は、東京ドーム約190個分という広大な敷地に世界でも有数の生産量を誇る製鉄所で、年間の粗鋼生産能力は国内最大の約1200万トン規模を誇り、自動車・家電向けの薄鋼板を中心に生産され、日本国内やアジア地域へ出荷しています。本文

このような製鉄所では、高炉で鉄鉱石を溶解、還元して鋼(はがね)のもととなる銑鉄(せんてつ)を作り、鋼を固める連続鋳造(ちゅうぞう)の工程へ進み鉄が生産されています。高炉などの稼働には多くの電力が必要になり、その生産過程では冷却用に多くの水を使用します。製鉄所を24時間365日安定的に操業するには、この多くの電気・ガス・水などのエネルギーこそ欠かすことのできない重要なインフラであり、それらを的確に監視・制御することが求められます。

同製鉄所は、高炉や工程によって複数のエリアに分かれており、従来はそのエリア単位で電気・ガス・水・空気の管理を行っていたため、広大な敷地の10カ所以上にエネルギーステーションが点在していました。その後、電力やガスを「エネルギーセンター」、水を「浄水センター」、空気を「送風機センター」という形で機能別に統合し、異なる機種のDCS※1で監視・制御を行っていました。

「各センターのDCSが異なる機種のものだったため、操作性が統一されておらず、またオペレータの減少も伴い、管理をしていく上で対応が難しくなっていました」(杉山氏)

信頼性の高い二重化をベースに既存の設備も有効利用

統合後の新エネルギーセンター内は全員でモニタ監視できるように広めの通路スペースを確保。

統合後の新エネルギーセンター内は全員でモニタ監視できるように広めの通路スペースを確保。

そこで2007年春に、エネルギーセンターと浄水センターを統合し、電気・ガス・水を総合的に1つのDCSで一元管理し、操作性の統一と業務の効率化を図ることを検討し始めました。

DCS統合で焦点となったのが、コスト低減と信頼性をどのように両立するかという点でした。当初はコスト面での優位性から汎用のパッケージソフトウェアで対応するプランが有力でした。しかし、24時間絶対に止めることのできない製鉄所の動力エネルギーを監視・制御するため、より高い信頼性が求められます。

それに加え、製鉄所の設備を制御するためのPLC※2はJFEスチール内で運用に合わせてソフトウェアの改造・追加を行っていたため、既存のPLCをそのまま有効活用し、ソフトウェアの改造・追加の操作性は維持しつつイニシャルコストを最小に抑えるシステム導入が望まれました。

そこで山武は、異常が発生した場合でも完全にバックアップが行える二重化をベースに、既存PLCであるMELSEC(メルセック)※3と接続し、資産を有効利用しながら最新のシステムへと進化させる方法として、そのプラットフォームである高信頼オープン・オートメーション・システムIndustrial-DEO™を提案しました。

※2012年3月以前の情報は、旧名称が使われているケースがあります。ご了承ください。

データの蓄積・長期保存でトラブルの原因究明も可能に

Industrial-DEOの監視画面では、エネルギーセンターの運転状況が瞬時に判断できる。少人数で効率的な監視を実現する。

Industrial-DEOの監視画面では、エネルギーセンターの運転状況が瞬時に判断できる。少人数で効率的な監視を実現する。

Industrial-DEOの採用が決定し、2009年4月より本格稼働を開始。これによりセンターで総合的に監視・制御を行うIndustrial-DEOのほかに各エリアにもヒューマンインタフェースが設置され、エリアにいてもセンターと同様の操作で運用データの確認が行えるようになりました。また、これまでは運転データのトレンドなど限られた機能での監視だったため、トラブル発生時も原因の特定が困難でしたが、Industrial-DEOの導入により運用データを長時間蓄積し、トレンドグラフ表示機能で逐次監視ができるようになりました。

「長期にわたり運転データが蓄積されているため、異常が発生した際にも蓄積されたデータをさかのぼることで異常の原因追究を行うことができます。また、常にトレンドデータを監視することで、事前に異常を起こしそうなポイントを見つけることも可能になりました」(佐藤氏) 「システム更新工事を約1年間の短工期で実施してもらいました。DCSを統合化したことで操作性が統一されオペレーションミスもなく順調に操業を行うことができています」(渋谷氏)

さらに、既存のPLCを活かしたことで、JFEスチール内でソフトウェア改造が可能となり、変更をスピーディに現場に反映させることができ効率も維持しました。

「高価投資ができない現状で、MELSECとの接続実績も豊富にありランニングトラブルも少ないことやシステムの二重化による信頼性の高さが重要なポイントでした」(志田氏)

「効率化に向けて改善する余地はまだあると考えています。より進化したシステムを作るために山武には今後も良い提案を期待します」(杉山氏)

※2012年3月以前の情報は、旧名称が使われているケースがあります。ご了承ください。

用語解説

※1 DCS(Distributed Control System)

分散制御システム。工場の生産システムなどを単独の大型コントローラで制御するのではなく、システムを構成する各装置・機器が制御装置を持ち、それらをネットワーク接続する。負荷の分散が図れ、安全でメンテナンス性の良いシステム構築が可能。

※2 PLC(Programmable Logic Controller)

マイクロコンピュータとメモリを内蔵した制御装置。装置や操作盤に設置したセンサやスイッチなどの入力機器からの信号を入力回路で取り込み、あらかじめプログラムされた条件で出力回路をON/OFFすることで電磁弁やモータなどの出力機器を自由に制御する。

※3 MELSEC

MELSECは三菱電機株式会社の登録商標です。

 

お客さま紹介

JFEスチール株式会社 西日本製鉄所 福山地区 制御部制御技術室 主任部員(副部長) 佐藤 幸徳氏
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制御部制御技術室
主任部員(副部長)
佐藤 幸徳氏
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エネルギー部
エネルギー技術室
主任部員(課長)
渋谷 清文氏
JFEスチール株式会社 西日本製鉄所 福山地区 エネルギー部 エネルギー室 統括 杉山 英和氏
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統括
杉山 英和氏
JFE電制株式会社 エンジニアリングセンター 福山技術部 銑鋼エンジ室 主査 志田 公氏
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エンジニアリングセンター
福山技術部
銑鋼エンジ室
主査
志田 公氏

JFEスチール株式会社 西日本製鉄所 福山地区

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  • 所在地/広島県福山市鋼管町1番地
  • 操業/1965年2月
  • 事業内容/熱延鋼板、冷延鋼板、表面処理鋼板、厚板、条鋼、その他

この記事はazbilグループのPR誌azbil(アズビル)の2009年12月号に掲載されたものです。

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