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凸版印刷株式会社

機器故障や災害のもとになる発熱源などを可視化。
点検を効率化し、防火・防災への取組みを前進

凸版印刷では、工場で稼働する機械の摩擦熱などによる発火を未然に防ぐため、点検作業にサーモグラフィを導入。操業に影響を与えることなく、機械の温度状況を随時、可視化できるようになり、点検作業の大幅な効率化を実現しています。また、不具合要素をいち早く検知できるようになり、機械の予防保全にも貢献。防火・防災への取組みを大きく前進させることができました。

凸版印刷株式会社

凸版印刷株式会社

工場・プラント分野 その他(市場・産業) 省エネルギー 赤外線サーモグラフィ

導入製品・サービス

計測箇所のズレにより、異常を見逃してしまう懸念も

1900年の創業以来、我が国の印刷業界を牽引(けんいん)してきた凸版印刷株式会社。証券やカード、出版物、パッケージなど、以前からの印刷事業はもとより、今日では、インターネットコンテンツ事業や次世代ディスプレイ事業、ライフサイエンス事業など幅広い領域にわたるビジネスを展開しています。

このように広範な分野で事業を行う同社が、最重要テーマの一つに掲げているのが、凸版印刷グループで働く人々の安全と健康の確保です。特に工場の操業における安全確保については、労災予防に向けた設備の点検や教育、注意喚起といった活動を日常的に展開。労災ゼロを目指し、取り組んでいます。例えば安全教育の一環として、埼玉県川口市にある研修センターに「安全道場」を開設。印刷に使用する回転式の機械を模した「挟まれ・巻き込まれ体感機」といった機器を設置し、実際にその状況を体験することで従業員の危険に対する感受性の向上を図る、といったユニークな取組みも行っています。

「各工場の設備に関しても、本社が主導する形で、安全、防火・防災といった観点から、点検、メンテナンスのあり方についての全社的な標準化を、積極的に推し進めています」(難波氏)

例えば、大がかりな回転機構を持つ印刷機の場合、操業の中で軸受け部分などに大きな摩擦が発生して熱を持つようになります。そうした部分は常日ごろから温度を計測して、発火のおそれがないかを点検しておく必要があります。そのほか、印刷物の乾燥や真空蒸着※1を行う高温になる機器に関しても同様の温度点検が不可欠です。

「現場で一般的に用いられている赤外線式の放射温度計は、レーザーポインタのようなもので任意の箇所のスポット温度は測れるのですが、計測箇所がズレてしまうと異常を見逃してしまうという課題がありました」(藤本氏)

操業に影響を与えることなく効率的に機械の温度状況を可視化

工場内にも手軽に持っていかれるサイズのハンディータイプの赤外線サーモグラフィ。計測する場所の写真とサーモグラフィ画面を残すことができる FLIR Eシリーズ。

工場内にも手軽に持っていかれるサイズのハンディータイプの赤外線サーモグラフィ。計測する場所の写真とサーモグラフィ画面を残すことができる FLIR Eシリーズ

これに対し凸版印刷が注目したのが、機械の温度状況を点ではなく面で捉えられるサーモグラフィでした。そこで同社では、いくつかのベンダーの製品を候補に、その導入に向けた検討を開始。画像の精細度、液晶ディスプレイのサイズ、測定可能な温度範囲、バッテリーの持続時間、耐衝撃性、そして価格など、様々な視点から検討を重ねた結果、アズビルトレーディング株式会社が提案していたハンディータイプの 赤外線サーモグラフィ FLIR(フリアー) Eシリーズを採用することに決定しました。

FLIRは、検討時に挙げたあらゆるチェック項目で当社の要求を満たしていたことに加え、通常のデジタルカメラ機能も装備しており、実際の現場の写真と熱画像を組み合わせて正確に発熱箇所を特定することができる点も魅力的でした」(藤本氏)

「検討の最終段階では、実際にデモ機を工場に持ち込んで、半日程度、現場の点検箇所を計測して回りましたが、 FLIRは持ち運びもしやすく、また使い勝手も簡単で十分に満足のいくものでした」(難波氏)

採用決定後、凸版印刷では FLIRの利用を希望する現場を募り、2013年1月に導入、各現場に設置しました。同社では設備点検の標準化を進めており、本社側から点検の内容についてのガイドラインを現場に通達していますが、 FLIRが設置された工場では、早速、同製品を使って設備点検を実施。そうした中で、様々な成果が表れてきました。

「特に大きなメリットだと感じたのが、操業に影響を与えることなく、点検作業が行えることです。生産の機械はできるだけ止めたくないというのが現状です。点検のために機械をいちいち停止させることなく、さらには作業の邪魔にならない離れた場所からも正確に温度計測が行えるので、点検によって現場の生産性が低下することは一切ありません。危険かどうかの判断が難しかった部分についても明確に数値化されることで次の手を打つことが可能になりました」(藤本氏)

「さらに、非常に手軽に使えるので、点検作業が効率化され、担当者はこれまで以上の頻度で機械を点検できるようになりました。その結果、発火の可能性だけではなく、機械の不具合要素などもいち早く検知でき、そうした意味では、予防保全にも貢献しています。サーモグラフィで撮影した画像を時間を追って見ていけば事前に異常を発見することができます。見逃しの確率が減るとともに証拠として残せることで活用の幅も広がりました」(難波氏)

※FLIRは、FLIR Systems, Inc.の商標です。

揮発性有機化合物や静電気などを可視化する仕組みの導入を目指す

今後も同社では、 FLIRのさらなる活用を進めながら、現場作業員の安全・衛生の確保に向けた防火・防災への取組みをますます強化していくことになります。そうした中で、今回導入したサーモグラフィによる温度・熱の見える化にとどまらず、火災の要因となる着火源や可燃物を可視化できる新たな機器の導入も検討しているとのことです。

「着火源としては静電気、そして可燃物としては印刷工場で多用されている有機溶剤から発生する揮発性有機化合物(VOC)などが挙げられます。これに対し、アズビルトレーディングの提案する FLIR GFシリーズをテスト的に使った際には、肉眼では見られないVOCの気体の流れも可視化できました。現在、導入を前向きに検討しているところです」(藤本氏)

「今までは“見る”ことができないために想定で対策を取っていたことが、本当に“見る”ことができれば対策方法も変わってきます。“見る”ことができることにより、そこから得られるデータは非常に多いと感じています。そうした製品の提供も含め、様々な機器を提供する数多くの海外メーカーと協業関係を持っているアズビルトレーディングは、我々にとって非常に頼もしい存在です。今後も当社が展開する防火・防災への取組みに役立つ、有益な製品を積極的に提案していってもらいたいと思います」(難波氏)

用語解説

※1 真空蒸着

高真空中で、金属や加工物などの蒸着材料を加熱し気化もしくは昇華して、離れた位置に置かれた基板の表面に付着させて、薄膜を形成するもの。

 

お客さま紹介

凸版印刷株式会社 製造統括本部 製造技術センター 生産技術部 難波 系治郎氏
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製造技術センター
生産技術部
難波 系治郎氏
凸版印刷株式会社 製造統括本部 製造技術センター 主任 増田 勝氏
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製造技術センター
主任
増田 勝氏
凸版印刷株式会社 製造統括本部 製造技術センター 生産技術部 藤本 司氏
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製造統括本部
製造技術センター
生産技術部
藤本 司氏
凸版印刷株式会社 製造統括本部 製造技術センター 生産技術部 藤本 司氏
凸版印刷株式会社
製造統括本部
製造技術センター
生産技術部
市戸 憂二氏

凸版印刷株式会社

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凸版印刷株式会社

  • 所在地/東京都千代田区神田和泉町1
  • 創業/1900年
  • 事業内容/印刷技術に基づく「情報コミュニケーション」「生活環境」「マテリアルソリューション」事業

この記事はazbilグループのPR誌azbil(アズビル)の2013 Vol.5(2013年10月発行)に掲載されたものです。

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