HOME > 納入事例 > 桜井市上下水道部 外山浄水場

桜井市上下水道部 外山浄水場

現場で働く「人とシステムの融合」で、安全な水道水を市民に安定供給

古墳や古社寺などの数々の文化遺産を擁し、日本の歴史を育んだ地として知られる奈良県桜井市。同市では、安定した水道水の供給に向けた取組みの一環として、その最重要施設である外山浄水場の中央監視システムの更新を実施しました。その結果、浄水処理にかかわる監視・制御の効率化、およびシステムの信頼性向上を実現。併せて関連施設を遠隔で一元的に監視・制御できる体制を整えました。

桜井市上下水道部 外山浄水場

桜井市上下水道部 外山浄水場

工場・プラント分野 上・下水道 安全・安心 運転監視・制御システム&ソフトウェア 調節計(温調計)/記録計

老朽化した監視システムの更新により、さらなる安全性、信頼性の向上を目指す

桜井市にある纒向遺跡の南端にある箸墓(はしはか)古墳。墳丘長280mを誇る3世紀半ばすぎの大型の前方後円墳で、現在は宮内庁によって第7代孝霊天皇皇女 倭迹迹日百襲姫命(やまとととひももそひめのみこと)の大市墓(おおいちぼ)として管理されているが、邪馬台国の女王 卑弥呼の墓という説も有力。

桜井市にある纒向遺跡の南端にある箸墓(はしはか)古墳。墳丘長280mを誇る3世紀半ばすぎの大型の前方後円墳で、現在は宮内庁によって第7代孝霊天皇皇女 倭迹迹日百襲姫命(やまとととひももそひめのみこと)の大市墓(おおいちぼ)として管理されているが、邪馬台国の女王 卑弥呼の墓という説も有力。

奈良盆地の中央東南部に位置する桜井市。青垣山(あおがきやま)と称される緑豊かな山々を背後に擁するこの街は、古くは「大和は国のまほろば」とも歌われ、「日本書紀」や「古事記」「万葉集」などにも数多く登場する、我が国の古代国家成立の舞台として知られます。近年の発掘調査により邪馬台国の有力候補地として脚光を浴びている纒向(まきむく)遺跡や古墳時代に造営された前方後円墳の数々、さらには日本最古の神社である大神(おおみわ)神社をはじめとする神社仏閣など、歴史・文化遺産に恵まれ、内外からの観光客で今もにぎわっています。

桜井市では、1955年2月に市民に水道水の安定供給を行うための上水道事業を創設。以来、水需要の増大や給水地域の拡大に対応するために、これまでに第5次を数える拡張事業を実施してきました。現在も、同市上下水道部を中心に、水道施設の新設や増設を随時行いながら、さらなる給水地域の拡張を進めています。2010年3月には、厚生労働省が策定した「水道ビジョン」に準じる形で、「桜井市水道ビジョン」を取りまとめました。

「桜井市水道ビジョンでは、市民に対する安定した水道水の供給に向け、市の水道事業について現状の評価・分析を行って課題を整理しています。これは当市水道事業の目指すべき将来像を描いており、現在、このビジョンに基づいての運営、設備の改善に向けた取組みを順次展開しているところです」(櫻井氏)

そうした取組みの一環として、2008年ごろから市域に対する給水の約6割を担う最重要施設である外山(とび)浄水場において、浄水処理設備の監視・制御を行う中央監視システムの更新に向けた検討を開始しました。

「更新対象となったシステムは約20年にわたって稼働してきたこともあり、不具合の発生が目立ってきている状況でした。水道は重要なライフラインです。この状態を放置すれば、市民生活にも甚大な影響が及ぶため、システム更新による不具合の解消が差し迫った課題となっていました」(大木氏)

「更新に当たっては、単に既存設備のハードウェアを新しくするというだけではなく、設備における運転のあり方やシステムの構成を一から見直し、使い勝手や安全性、信頼性のさらなる向上を目指したいと考えました」(米田氏)

綿密な打ち合わせと準備を行い、スケジュールどおりに移行工事を完了

そうした要件を踏まえ、2008年11月に行われた関連工事についての競争入札の結果、当該事業を請け負うことになったのが山武でした。その提案内容は、中央監視システムを、山武の提供する協調オートメーション・システムHarmonas™に更新し、視認性、操作性に優れた最新のシステムによる使い勝手の大幅な改善を図るとともに、監視・制御用のETHERNETやコントローラ類、さらには電源も含めた冗長化を行って、より高度な信頼性を追求するというものでした。

システムの更新に際して桜井市上下水道部が最も懸念したのは、工事の際に水道水供給が一時的にでも停止してしまうのではないかということでした。これに関しては同部と山武との間で、数十回にも及ぶ工事前の打ち合わせが持たれたといいます。

「打ち合わせを通して、移行作業について詳細な検討を行った成果もあり、供給が停止するようなトラブルも一切なく、予定どおりに工事を完了させることができました。事前に設備やシステムを綿密に調査し、その内容を熟知した上で最適な工事計画を立案してくれた山武の真摯(しんし)な対応によるところが大きいと評価しています」(靏井氏)

中央監視システムが万が一停止した際も、リモート側で制御を続行することができるように冗長化されている。ポンプ流入量、ろ過流量、薬品注入量などの制御を行うデジタル指示調節計 SDC40。

中央監視システムが万が一停止した際も、リモート側で制御を続行することができるように冗長化されている。ポンプ流入量、ろ過流量、薬品注入量などの制御を行うデジタル指示調節計 SDC™40。

中央監視室に設置されたHarmonas。

中央監視室に設置されたHarmonas。

※ETHERNETは、富士ゼロックス株式会社の商標です。
※2012年3月以前の情報は、旧名称が使われているケースがあります。ご了承ください。

浄水処理設備に加えて、配水池なども遠隔監視

事務所にもHarmonasの端末が置かれ、多くの人の目で監視・制御が行えるようになっている。

事務所にもHarmonasの端末が置かれ、多くの人の目で監視・制御が行えるようになっている。

新たに導入された中央監視システムでは、外山浄水場における取水から薬品注入、沈殿、ろ過、脱炭酸処理、活性炭処理、送水といった浄水処理にかかわる一連の工程についての監視・制御をHarmonasに統合。さらに、現在、桜井市のもう1つの浄水場である初瀬(はせ)浄水場のほか、桜井市内にある6カ所の配水池※1、さらには、これまで別系統のシステムとして構成されていた無水源地域簡易水道※2用の小規模な送配水設備の情報なども外山浄水場の中央監視システムに取り込んで、遠隔による監視・制御が行える形となっています。

また、山武の提案により、中央監視室のほか、事務所にも中央監視システムの監視端末を導入。事務所に居ながら設備の監視・制御ができるようになっており、オペレーションの大幅な効率化につながっています。

「いかに水道水を安定的に市民の皆さんに供給するかは、我々にとっての大きな課題です。これまで現場で磨き上げてきた人員間の連携作業を効果的に支援してくれる山武のシステムの役割はまさに絶大であると感じています」(西村氏)

「さらに、今回のシステムでは、電気料金の単価が低くなる夜間に送水ポンプの稼働率を上げて、昼間に下げるという運転の効率を上げるため、最適な切替えのタイミングをオペレータに知らせるガイダンス機能も追加しました。その結果、夜間電力の有効活用による電力コストの削減に加え、ピーク電力の低減化により、昨今、社会的に切実なテーマとなっている、電力会社の負荷低減に貢献するという成果も得られています」(中森氏)

今後も桜井市上下水道部では、安心安全な水道水の供給を重要な命題として、様々な側面からの取組みを強化していくことになります。

「山武には、全国各地の水道施設にかかわる計装設備を担当してきた豊富な知見をベースに、今後も良きパートナーとして我々を強力にバックアップしてくれることを大いに期待しています」(櫻井氏)

※2012年3月以前の情報は、旧名称が使われているケースがあります。ご了承ください。

用語解説

※1 配水池

上水道の配水量を調整するために一時的に水を蓄えておく池。

※2 簡易水道

飲用に適する水を供給する水道のうち、給水人口が100人を超え5000人以下のもの。

お客さま紹介

桜井市上下水道部 次長 (平成21年度竣工当時、現 環境部 部長) 櫻井 幸雄氏
桜井市上下水道部
次長
(平成21年度竣工当時、現 環境部 部長)
櫻井 幸雄氏
桜井市上下水道部 水道施設課 課長 西村 光司氏
桜井市上下水道部
水道施設課
課長
西村 光司氏
桜井市上下水道部 水道施設課 主幹 大木 孝志氏
桜井市上下水道部
水道施設課
主幹
大木 孝志氏
桜井市上下水道部 水道施設課 施設係長 米田 勝人氏
桜井市上下水道部
水道施設課
施設係長
米田 勝人氏
桜井市上下水道部 水道施設課 浄水係 主任 靍井(つるい) 康幸氏
桜井市上下水道部
水道施設課
浄水係
主任
靍井(つるい) 康幸氏
桜井市上下水道部 水道施設課 施設係 主任 中森 弘晃氏
桜井市上下水道部
水道施設課
施設係
主任
中森 弘晃氏

桜井市上下水道部 外山浄水場

桜井市上下水道部 外山浄水場

桜井市上下水道部 外山浄水場

  • 所在地/奈良県桜井市大字外山51
  • 操業開始/1955年2月

この記事はazbilグループのPR誌azbil(アズビル)の2011年09月号に掲載されたものです。

工場・プラント分野の納入事例

安全・安心の納入事例

運転監視・制御システム&ソフトウェアの納入事例