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新日本製鐵株式会社 名古屋製鐵所

高品質な製品の生産を支える設備の新設で、
拡大する需要に応える増産体制を整備

中部圏唯一の鉄の総合基地として、同エリアの産業を支える鉄製品を提供する新日本製鐵 名古屋製鐵所では、RH真空脱ガス設備を増設。同設備の操業にかかわる監視・制御を行うシステムの構築および各種フィールド機器の導入により、供給する製品における高度な品質を担保するとともに、需要拡大に応え得る増産体制を整備しました。

(新日本製鐵株式会社 名古屋製鐵所 提供)

(新日本製鐵株式会社 名古屋製鐵所 提供)

工場・プラント分野 鉄鋼 安定稼働 稼働改善 運転監視・制御システム&ソフトウェア 圧力計(圧力センサ)/差圧計(差圧センサ) コントロールバルブ(調節弁)/操作端

鉄製品への需要が高まる中、設備増強による増産を目指す

RH真空脱ガス設備の操作室に設置されたHarmonas。真空脱ガスの作業を窓越しに見ながら、Harmonasでも制御状況を確認する。

RH真空脱ガス設備の操作室に設置されたHarmonas™。真空脱ガスの作業を窓越しに見ながら、Harmonasでも制御状況を確認する。

自動車やビル、橋梁、船舶から、家電製品、飲料製品の缶などの幅広い分野で用いられる素材である鉄。新日本製鐵株式会社は、あらゆる産業活動や社会基盤の整備に欠かせない各種鉄製品をグローバルな市場に供給しています。その基幹生産拠点として、中部圏において操業を続けているのが名古屋製鐵所です。中部エリアの銑鋼(せんこう)一貫製鉄所※1として知られ、高度な製造技術と製品開発力によって生み出される薄板、厚板、鋼管、鋳物(いもの)用銑鉄(せんてつ)などの製品は、同エリアの自動車産業を中心とする需要の大きな産業に供給されており、顧客の鉄に対する多様なニーズを満たすとともに、我々の日常生活を支えています。

名古屋製鐵所では、2007年5月に製鋼工程の中の二次精錬設備であるRH(Ruhrstahl-Hausen)真空脱ガス設備を増設しました。二次精錬設備は、転炉で粗調整された溶鋼(ようこう)内に含まれる成分の最終調整を行うという役割を担っています。特にRH真空脱ガス設備においては、生産する製品に応じて鋼中の不純物元素(高い成形性が要求される薄板材では炭素、靭性(じんせい)が要求される厚板材では水素)を除去することが求められます。処理精度は、生産物の品質を左右する大きな決定要因となるもので、そうした意味からもこの設備の果たす役割は非常に重要です。

「今回のRH真空脱ガス設備の増設に向けた検討を開始したのが2005年ごろのこと。当時は、新興国が急速な経済発展を遂げる中で、自動車産業をはじめとする分野において世界的な好景気が続いており、鉄製品に対するニーズも急速に増大している状況でした。そこで当製鐵所としても、そうした拡大するニーズに応えるべく、新たな設備を用意して増産体制を整えることが求められていました」(渡辺氏)

二重化/三重化の冗長構成で、万一に備えた信頼性を確保

RH真空脱ガス設備。(新日本製鐵株式会社 名古屋製鐵所 提供)

RH真空脱ガス設備。(新日本製鐵株式会社 名古屋製鐵所 提供)

RH真空脱ガス設備は、取鍋(とりべ)に入った溶鋼に真空槽をかぶせ、アルゴンガスを吹き込むことによって、溶鋼を上昇させ、そこで脱ガスした溶鋼が再び取鍋に戻るという循環状態を維持しながら、溶鋼全体を徐々に脱ガスする仕組みとなっています。そうした処理を行うには、真空槽内の圧力や温度などの細かな監視と制御が不可欠です。これに対し名古屋製鐵所では、監視・制御を担う計装システムの整備を山武に依頼。協調オートメーション・システムHarmonas™を中心にその仕組みを構築することにしました。

「山武に対しては、既に亜鉛メッキ工程においてもHarmonasを核とした監視・制御システムを採用していた経緯があり、実績に基づく大きな安心感がありました。また、既設のRH真空脱ガス設備において課題となっていた、計装システムと電気コントローラとの冗長化による接続といった部分についても、山武は確立された技術を持っており、そうした点も今回の採用に当たって高く評価したポイントです」(小笠原氏)

 同製鐵所が山武の採用を決定したのが2005年11月。その後、新規RH真空脱ガス設備の工事と並行して、計装システムの構築作業が行われました。そして、2007年5月には新設備が稼働を開始。これにより、名古屋製鐵所では、市場においてますます拡大する鉄製品に対するニーズに応え得る増産体制を整えることができました。

新システムでは、計装関連機器のほぼすべてに山武製品が導入されており、設備の運転状況についての監視と制御がHarmonasの画面上に一元管理されています。また、他社電気コントローラとの通信もゲートウェイを介して実現されており、電気設備の状況をHarmonas上で監視できる仕組みも整備。さらに、これら機器の接続はすべて二重化、三重化による冗長構成が取られ、設備や機器の障害など、万一の事態にも決して操業停止に陥らないような信頼性も担保されています。

「システムや機器の信頼性はもちろん、設備の安定操業を支援する山武の対応にも大いに満足しています。例えば稼働後に、ある装置において、本来であれば定修※2を待って対応しなければならないようなトラブルがあった際にも、山武からの申し出によって、夜中の修理対応をしてもらったケースもありました」(長谷川氏)

差圧/圧力発信器 DSTJ™3000で真空度を計測する。

差圧/圧力発信器 DSTJ™3000で真空度を計測する。

アルゴンと窒素の切替えを行うトップガイド形単座調節弁 CV3000 Alphaplus™。

アルゴンと窒素の切替えを行うトップガイド形単座調節弁 CV3000 Alphaplus™。

※2012年3月以前の情報は、旧名称が使われているケースがあります。ご了承ください。

熟練担当者のノウハウ継承が作業精度、品質向上のカギ

今後に向けて名古屋製鐵所では、グローバル規模で競争が激化する鉄鋼業界において、製品の品質こそが生き残りのカギを握るものと捉えています。そうした中で、RH真空脱ガスのプロセスにおける作業精度もさらに上げていきたいと考えています。

「Harmonasには異常時に発生するイベントに応じて、オペレータに対処方法を示すオンラインマニュアルの機能も用意されています。今後は、そうしたものも活用して、熟練担当者のノウハウを若手に継承していくことも、作業精度向上の意味からは重要だと考えます」(新美氏)

「今回の設備では、操業や品質にかかわるデータを蓄積・管理する仕組みとして山武の提供するリレーショナル製造情報管理システムPREXION™を導入していますが、まだ十分に活用しきれていません。今後は、そうしたものも利用して、現場作業の精度、そして製品品質の向上をさらに追求していきたいと考えています。山武には、これからもより一層の支援を期待しています」(渡辺氏)

※2012年3月以前の情報は、旧名称が使われているケースがあります。ご了承ください。

用語解説

※1 銑鋼一貫製鉄所

製銑・製鋼・圧延の3段階を一貫して行える製鉄所。製鉄工程における各種熱源の効率利用や運搬の合理化、統一的管理による品質向上やコスト削減などのメリットが得られる。

※2 定修

各種生産施設やプラントで定期的に実施される大規模な点検・修理作業。定期修理。

お客さま紹介

新日本製鐵株式会社 名古屋製鐵所 製鋼工場 転炉課 マネジャー 渡辺 祐氏
新日本製鐵株式会社
名古屋製鐵所
製鋼工場
転炉課
マネジャー
渡辺 祐氏
新日本製鐵株式会社 名古屋製鐵所 設備部 制御技術グループ マネジャー 小笠原 達氏
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名古屋製鐵所
設備部
制御技術グループ
マネジャー
小笠原 達氏
新日本製鐵株式会社 名古屋製鐵所 設備部 電気計装整備課 鉄鋼エネルギー計装設備係 班長 新美 義弘氏
新日本製鐵株式会社
名古屋製鐵所
設備部
電気計装整備課
鉄鋼エネルギー計装設備係
班長
新美 義弘氏
新日本製鐵株式会社 名古屋製鐵所 設備部 製鋼設備課 連鋳電気設備係 班長 長谷川 伴樹氏
新日本製鐵株式会社
名古屋製鐵所
設備部
製鋼設備課
連鋳電気設備係
班長
長谷川 伴樹氏

新日本製鐵株式会社 名古屋製鐵所

新日本製鐵株式会社 名古屋製鐵所

新日本製鐵株式会社 名古屋製鐵所

  • 所在地/愛知県東海市東海町5-3
  • 設立/1958年9月
  • 事業内容/薄板、厚板、鋼管、鋳物用銑鉄など鉄鋼製品および機能製品の開発・製造

この記事はazbilグループのPR誌azbil(アズビル)の2011年08月号に掲載されたものです。

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