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清水エル・エヌ・ジー株式会社

制御システムの保守性・耐障害性の向上が
天然ガスのさらなる安定供給に貢献

静岡県内を中心に天然ガスの供給を担う清水エル・エヌ・ジー株式会社。同社では、さらなる需要拡大への対応を目的に、第三期増設工事を実施しました。新設備においても、これまで製造現場で大きな実績を積み重ねてきていた山武製品を導入。高度な技術とノウハウに基づく制御システムの全設備完全独立二重化構成の実現により、ライフラインとして停止が許されないプラントの安定操業を支えています。

清水エル・エヌ・ジー株式会社

清水エル・エヌ・ジー株式会社

工場・プラント分野 電力・ガス 安全・安心 運転監視・制御システム&ソフトウェア 圧力計(圧力センサ)/差圧計(差圧センサ) コントロールバルブ(調節弁)/操作端

天然ガスの需要拡大に応えるため、設備の増設、拡充に取り組む

他の化石燃料に比べてCO2排出量が少なくクリーンなエネルギーとして注目される天然ガス。そうした環境負荷の低さに加え、世界各国で豊富な埋蔵量が確認されていることから、持続可能な社会を支える基幹エネルギーの1つとして、その需要はますます高まっています。清水エル・エヌ・ジー株式会社は、静岡ガス株式会社と東燃ゼネラル石油株式会社の共同出資により、1992年に設立。1996年の運転開始以来、同社の袖師(そでし)基地において、LNG(液化天然ガス)の受入れから、貯蔵、都市ガス製造に至る工程を一貫して担い、静岡県内の約30万戸に提供する天然ガスの安定供給を支えています。

「静岡ガスグループは、天然ガスをより多くの地域に供給するため、袖師基地をハブターミナルとする広域パイプラインネットワークを構築し、静岡県内の都市ガス事業者をはじめ県外への供給も積極的に推進してきました。2006年4月には、ますます増大する需要に対応するため、第三期増設工事に着手。その狙いは、新たに第3号LNGタンクを建設して貯蔵能力を向上させることと、既存の2.5MPaを大幅に上回る7MPaの能力を持った高圧の送出ラインを設置して、より広い地域に対する天然ガスの供給を実現することです」(伏代氏)

※2012年3月以前の情報は、旧名称が使われているケースがあります。ご了承ください。

長年にわたる実績を背景に、現場に培われた大きな信頼

都市ガスの製造に当たっては、まず原料となるLNGをLNG船から受け入れてタンクに貯蔵し、海水の熱エネルギーを利用してそれを気化。その後、熱量調整を行って都市ガスとして送出するというプロセスをたどります。同社では袖師基地の設立以来、こうした工程を制御・監視するために山武のDCSを全面的に採用してきました。これに対し、今回の第三期増設工事の実施に当たっては、東京ガス・エンジニアリング株式会社からプラントメーカーとして工事を請け負っていたJFEエンジニアリング株式会社が、改めて制御機器メーカー選定を実施。そこで再度、採用されたのが最新DCS製品である高信頼オープン・オートメーション・システムIndustrial-DEO™を提案していた山武でした。

「山武とは、これまで長年にわたって、袖師基地のプラントの操業を支えるパートナーとして共に歩んできたという経緯があります。何よりも袖師基地の製造現場を知り尽くしている点は、山武の大きなアドバンテージだといえます」(横山氏)

「現場のオペレータや計装担当者も、設立以来、山武製品に慣れ親しんできており、当プラントにおける山武に対する信頼には絶大なものがあります。そうした意味で、今回も山武が採用になってよかったと思いました。さらに、現場における既存のスキルやノウハウの踏襲といった観点からも、大いに歓迎すべき結果であったといえます」(中野氏)

第三期増設工事で計器室に設置されたIndustrial-DEO。

第三期増設工事で計器室に設置されたIndustrial-DEO。

運転訓練シミュレータ。左が既設の2.5MPa設備用で右が新設の7MPa設備用。昼間はチームで訓練を行い、夜間は個人がスキルアップに励んでいる。

運転訓練シミュレータ。左が既設の2.5MPa設備用で右が新設の7MPa設備用。昼間はチームで訓練を行い、夜間は個人がスキルアップに励んでいる。

※2012年3月以前の情報は、旧名称が使われているケースがあります。ご了承ください。

DCSの完全独立二重化構成により、高度な保守性と耐障害性を実現

圧力を監視する差圧・圧力発信器 DSTJ™3000。

圧力を監視する差圧・圧力発信器 DSTJ™3000。

7MPa LPGポンプの最低流量をキープする山武の高圧単座調節弁 CV3000シリーズ HPSとAVP3000 Alphaplus™スマートバルブポジショナ。

7MPa LPGポンプの最低流量をキープする山武の高圧単座調節弁 CV3000シリーズ HPSとAVP3000 Alphaplus™スマートバルブポジショナ。

その後、3年以上の工期をかけて第三期増設工事が行われ、その中でIndustrial-DEOを中核とした制御・監視システムの構築が進められました。工事自体は、天然ガスの需要に対応する形で、いくつかのステップに分けて実施。最終的に3基の設置が予定されている気化設備を、まず1年目に2基設置し、次の年にもう1基追加するといった具合に、完了した部分から順次稼働させていくという方法が取られました。

「当然、DCSもその都度、適応範囲を稼働させていかねばならなかったわけですが、山武では持ち前の高度なノウハウで、最終的な全体イメージを踏まえつつ、ステップごとにDCSを最適な形で稼働させるという難題にも応えてくれました」(石田氏)

そして、2010年1月には第三期増設工事が完了。第3号LNGタンク、及び7MPaの高圧送出ラインをはじめとするすべての新設備が稼働を開始しました。その結果、袖師基地のLNG貯蔵能力は従来の約2倍、都市ガスの送出能力も約3倍に増強されています。

新設備におけるDCSの大きな特徴として挙げられるのが、コントローラやI/O、電源装置などの機器が全設備において主系、従系といった形で完全独立二重化構成になっていることです。

「これまでメンテナンスの際には、設備を停止させる必要がありましたが、今回の完全独立二重化により、主系でメンテナンスを行っている間も、従系で操業を続けることが可能となり、基地の生産能力を低下させることなく作業が行えるようになりました。もちろん、こうした仕組みは、計画停止の局面だけではなく、万一の障害発生時にも大きな威力を発揮します」(中島氏)

一方、清水エル・エヌ・ジーでは、今回の新設備稼働に併せてオペレータ用の運転訓練シミュレータを導入。山武は、シミュレータシステムを提供するベンダーと協調し、完全に本番設備を模した仮想的な制御・監視環境を提供しています。

「通常は自動でプラントの運転をしていますが、重大なプロセス異常や設備故障などの際には、通常運転では行わないような手動操作が発生します。そのための訓練は、操業に影響を与えるため、これまでは机上で行うしかありませんでした。シミュレータの導入により、非常時の訓練も本番さながらのリアリティで実施できるようになり、オペレータのスキル向上に大きく役立っています」(瀬名氏)

「今後も当社では、より広範な地域のお客さまに天然ガスをお届けすることを目標に、さらなる安定操業・安定供給を追求していきます。それに向けて山武には、運転支援の仕組みなどをはじめ、様々な側面からの積極的な提案を期待しています」(伏代氏)

※2012年3月以前の情報は、旧名称が使われているケースがあります。ご了承ください。

用語解説

※ DCS(Distributed Control System)

分散制御システム。プラント・工場の製造プロセスや生産設備などを監視制御するための専用システム。構成する各機器がネットワーク上で機能を分散して持つことで、負荷の分散化が図れ、安全でメンテナンス性に優れている。

 

お客さま紹介

清水エル・エヌ・ジー株式会社 常務取締役 所長 伏代 周司氏
清水エル・エヌ・ジー株式会社
常務取締役
所長
伏代 周司氏
清水エル・エヌ・ジー株式会社 技術グループ 技術チームリーダー 中島 直人氏
清水エル・エヌ・ジー株式会社
技術グループ
技術チームリーダー
中島 直人氏
清水エル・エヌ・ジー株式会社 技術グループ 技術チーム 瀬名 智久氏
清水エル・エヌ・ジー株式会社
技術グループ
技術チーム
瀬名 智久氏
静岡ガス株式会社 生産・供給部 生産担当 課長 中野 徹思氏
静岡ガス株式会社
生産・供給部
生産担当
課長
中野 徹思氏
JFEエンジニアリング株式会社 制御技術センター エネルギー制御部 経営スタッフ 横山 実氏
JFEエンジニアリング株式会社
制御技術センター
エネルギー制御部
経営スタッフ
横山 実氏
JFEエンジニアリング株式会社 制御技術センター エネルギー制御部 統括スタッフ 石田 貴之氏
JFEエンジニアリング株式会社
制御技術センター
エネルギー制御部
統括スタッフ
石田 貴之氏

清水エル・エヌ・ジー株式会社

清水エル・エヌ・ジー株式会社

清水エル・エヌ・ジー株式会社

  • 所在地/静岡県静岡市清水区袖師町1900
  • 設立/1992年8月25日
  • 事業内容/ガスの製造及び販売、液化天然ガスの購入及び貯蔵並びに販売

この記事はazbilグループのPR誌azbil(アズビル)の2010年12月号に掲載されたものです。

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