株式会社 豊田自動織機
徹底した圧力管理で実現する効率的なエネルギー供給
動力設備のエネルギー供給に、山武の調節弁FloWingを導入。徹底した圧力管理により高い省エネ効果を生んでいます。

エアーの圧力制御を行うFloWing
工場・プラント分野 自動車 省エネルギー コントロールバルブ(調節弁)/操作端
導入製品・サービス

年2%の省エネ目標を達成するために
豊田自動織機は、愛知県刈谷市に本社を構える輸送用機械メーカーです。県内に11の工場を持ち、創業以来の繊維機械をはじめ、産業車両、カーエアコン用コンプレッサーや、自動車・エンジン・鋳造品・パワーエレクトロニクスといった自動車関連の製品を製造・販売しています。なかでもエアジェット織機、フォークリフト、カーエアコン用コンプレッサーについては世界トップシェアとなっています。
豊田自動織機では、動力設備のエネルギーとしてエアー、蒸気、ガス、水を使用しています。効率的な生産を支えるためには、過不足のないエネルギー供給が不可欠です。しかしこれまではエアー供給に多くの無駄が発生していました。コンプレッサーからエアヘッダーを通して各現場に供給されるエアーの流量は必要量に限らず一定で、結果として4kgの圧力で十分にまかなえる現場に5kgの圧力がかかったエアーが供給され、そのまま無駄になっていました。特に車の生産工場では動力設備全体に占めるエアーの割合は高く、電力量もかさみます。エアーの圧力制御を行うことは、年2%の省エネ目標を掲げる豊田自動織機にとって必須の課題でした。
「工場全体を横断して動力設備の計画・設計・調達を行うプラントエンジニアリング部が5年前に発足し、エネルギーの安定供給と省エネの実現に取り組み始めました。そこでエアーの圧力制御による省エネに目を付けたのです」(成田氏)

蒸気のループに取り付けられたFloWing。
圧力制御により蒸気でも大きな省エネ効果を上げることができます。2005年の5月に導入し、近々投資分が回収できる見込とのこと
無駄なエアーの流量を調節できればコンプレッサーの台数制御が可能となり、大きな省エネ効果が期待できます。しかし、効果を期待して大胆な制御を行えば、それだけ生産リスクも膨らみます。リスクを回避するためには、安定性と信頼性の高いバルブが必要でした。そこで選ばれたのが、圧力損失が少なく、小流量から大流量まで制御できるレンジが大きい、偏心軸回転形調節弁FloWing™(フローウイング)でした。
「生産ラインの停止が大きな損失金額を発生させる状況下では、製品性能が優れていることはもちろん、アフターメンテナンスの充実が欠かせません。トラブルがあればすぐに駆けつけ、即座に対応できる人のサポート力が決め手となりました」(石原氏)
自社スタッフの一員のように

管末の圧力が表示されるエアー減圧制御盤。
厳格な制御には山武の指示調節計SDC™40が使用されています
2001年にエアーの15ループにFloWingと圧力センサBravolight™(ブラボーライト)が導入されると、効果はてきめんに現れました。コンプレッサーの入れ替えも含めてエアー供給効率は12%向上し、多額のコスト削減に成功しました。またコンプレッサーの台数は4分の3に減少し、コスト減につながりました。エアーの供給効率は11の工場で毎月比較され、圧力制御の仕組みはバージョンアップを繰り返しながら各工場に展開されています。

エアー、蒸気の圧力センシングには、山武の圧力センサBravolightが使用されています
豊田自動織機はここ数年で工場数を大幅に拡大してきましたが、管理する人員は減少傾向にあります。信頼性と安定性への要求が加速する中で、多くの管理対象をいかに制御するか。そこでトヨタ生産方式に則って「見える化」を推進し、システムの異常を早く発見できる仕組みづくりを行いました。ここでは、中央監視装置Harmonas™(ハーモナス)が活躍しています。
「限られた人数で設備を守るためには、良いベンダーとの関係をいかに作っていくかが大切です。ユニフォームは山武でも、弊社スタッフの一員のような意識でともに学んでいければと思っています」(北嶋氏)
動力設備から生産工程までを含めたコスト削減を進める豊田自動織機。徹底した省エネ化が、世界ナンバーワンの地位を揺るぎないものにしていきます。
※2012年3月以前の情報は、旧名称が使われているケースがあります。ご了承ください。
Products Review
偏心軸回転形調節弁「FloWing」

流れの抵抗が小さいストレートスルーボディと偏心軸回転のウイング付オープンヨーク形プラグを持つ調節弁。大きい弁容量と広いレンジアビリティを必要とする場合やスラリーを含む、つまりやすい流体の制御に適しています。豊田自動織機では、約100台のFloWing が導入されています。
お客さま紹介

プラントエンジニアリング部
施設計画室
施設設備グループ
ワーキングリーダー
成田 浩二氏

プラントエンジニアリング部
動力室
動力第3グループ
グループリーダー
北嶋 輝志氏

プラントエンジニアリング部
動力第3グループ
動力第31WG
ワーキングリーダー
石原 裕康氏
株式会社 豊田自動織機

株式会社豊田自動織機
株式会社豊田自動織機
本社・刈谷工場
- 会社設立/1926年11月18日
- 社員数/35,126人(2006年9月30日現在)
- 事業内容/繊維機械、自動車、産業車両などの製造・販売および物流事業等
この記事は山武グループ(現:azbilグループ)のPR誌azbil(アズビル)の2007年02月号に掲載されたものです。